整骨院では『痛みの変化を見ながら施術を続ける』役割が中心
整骨院では、柔道整復師が負傷部位の状態や動きにくさを確認しながら、施術を組み立てていきます。交通事故後の首・肩・腰のつらさは、日によって感じ方が変わることも多く、毎回の変化を追いながら施術方針を調整する点が特徴です。
厚生労働省の案内でも、柔道整復師は国家資格として位置づけられており、外傷性の負傷に対して施術を行う職種です。病院のように検査機器や薬を使う場ではなく、身体の状態を確認しながら施術と経過観察を進める場と考えると理解しやすくなります。
例外として、骨折や脱臼が疑われる、しびれが急に強くなった、頭痛や吐き気が目立つといった場合は、整骨院の施術だけで様子を見るべきではありません。医療機関での確認を優先してください。
病院は『診断と検査』、整骨院は『施術経過の把握』で役割が違う
交通事故後の通院で混乱しやすいのは、病院と整骨院の役割が重なって見える点です。病院では診断、必要な検査、薬の処方、診断書の作成などを担い、整骨院では日々の痛みや可動域、生活動作の変化をみながら施術を続けます。どちらが上というより、役割が違うと理解した方が実務的です。
この違いを意識すると、通院の説明も整理しやすくなります。例えば『病院では首の受傷確認と経過観察、整骨院では回旋時痛や座位姿勢のつらさに対する施術』のように分けて考えると、何のために通っているかが明確になります。
例外として、同じことを別々に説明して内容が食い違うと、後で自分でも経過を思い出しづらくなります。病院にも整骨院にも『今どの動作がつらいか』『前回より良いか悪いか』を同じ軸で伝えることが大切です。
整骨院で伝えるとよい3点
①どこが痛むか ②何をすると困るか ③前回より良いか悪いか、の3点を毎回同じ順序で伝えると、施術記録も自分のメモも整いやすくなります。
施術のたびに『生活で困る場面』まで共有すると経過が見えやすい
交通事故後の痛みは、数値だけでは伝わりにくいことがあります。『首が痛い』だけでなく『洗顔で上を向くと痛い』『運転で後ろ確認がつらい』のように、生活で困る場面まで伝えると、施術の目的が具体化しやすくなります。
整骨院側も、痛みの強さだけでなく、仕事・家事・睡眠への影響を聞きながら経過を追う方が、通院の意味を整理しやすくなります。自分で記録を残していれば、前回と今回の差も説明しやすくなります。
例外として、改善していると思っていても、しびれや脱力感が加わる場合は別です。その場合は『少し楽になった』という感覚だけで済ませず、新しい症状として病院へも共有してください。
通院中は『整骨院だけに任せきりにしない』ことが重要
交通事故後の通院で大切なのは、整骨院が悪い、病院が良いという話ではなく、役割を混同しないことです。整骨院で日々の身体の変化を追いながら、節目では病院で受傷状況や回復経過を確認する方が、全体像を見失いにくくなります。
特に通院が長くなると、自分でも『今何が主な問題なのか』がぼやけがちです。月ごとに症状メモを振り返り、整骨院で感じている課題を病院にも共有すると、経過の見直しがしやすくなります。
例外として、通院先の説明にズレが出てきた場合は、そのまま我慢せず、現在困っていることを1枚のメモにまとめ直してください。伝える軸を自分で整え直す方が、やり取りは早く落ち着きます。
具体例・計算例
通院メモ例: 『首の右回旋で痛み5/10、車庫入れがつらい、前回より少し改善』と毎回そろえて伝えると、整骨院での施術経過も病院への説明も整理しやすくなります。
事故後にやるべきこと — 7つの鉄則
この7項目は、事故直後から示談前までに実務で抜けやすいポイントを時系列で整理したものです。すべてを完璧に行う必要はありませんが、早い段階で順番を理解しておくと、通院・施術継続や補償手続きの負担を減らしやすくなります。
特に重要なのは『受診の早さ』『記録の継続』『連絡内容の一貫性』です。迷ったときは、この3点を優先して行動すると後工程での説明が安定します。
1. 痛くなくても、すぐ医療機関・整骨院を受診する
事故の直後は「大丈夫かも」と思っても、2〜7日後に痛みが出ることはよくあります。受診が遅れると「事故と関係ないのでは?」と因果関係を疑われる原因になります。大切なのは、事故直後に受診したという「事実」を作ることです。
受診先は整形外科に限りません。自賠責保険の支払基準(金融庁・国土交通省告示第1号)では、免許を有する柔道整復師が行う施術費用も「必要かつ妥当な実費」として認められています。整骨院(接骨院)も自賠責保険の対象施設であり、事故直後の受診先として有効です。
傷害分の被害者請求であれば、整骨院の施術証明書のみでも請求が認められます。医師の診断書が傷害分の被害者請求の「必須書類」ということはありません。ただし後遺障害等級の認定には医師の後遺障害診断書が必要なため、後遺障害が残る可能性がある場合は整形外科の受診も重要です。
最もリスクが低いのは、整形外科と整骨院の両方に早期受診することです。整形外科ではレントゲン・MRI等の画像検査と診断書の取得ができ、整骨院では手技による施術と施術証明書の作成ができます。両方の記録があることで、通院の正当性と事故との因果関係がより強固に証明できます。
2. 毎日メモをつける
「いつ」「どこが」「どれくらい」痛いかを、毎日1行でいいのでメモしましょう。このメモが、保険の手続きや示談の交渉で大きな武器になります。
スマホのメモ帳やノートでOK。続けることが大事です。
3. 保険会社には「事実だけ」を短く伝える
感情的にならず、事実を伝えましょう。例えば「首が痛くて洗顔がつらい。医師から週2回通うよう言われている」のように、症状・生活への影響・医師の指示の3点をセットで伝えると話がスムーズです。
電話の後は、日時・相手の名前・話した内容をメモしておきましょう。
4. 仕事を休んだ記録も残す
仕事を休んだ日数だけでなく、「重いものが持てない」「長時間の運転ができない」といった制限も補償の対象になることがあります。
医師に相談して、診断書に仕事への影響も書いてもらいましょう。
5. 書類は4つのフォルダで整理する
示談の前に慌てないために、早い段階からこの4つに分けて保管しましょう。
(1)医療の記録(診断書・検査結果)、(2)お金の記録(領収書・交通費)、(3)仕事の記録(欠勤日・業務制限)、(4)やり取りの記録(電話メモ・メール)
6. 痛みがぶり返したら、すぐ伝える
痛み止めでごまかしていると、書類上は「治った」と判断されることがあります。悪化したら我慢せず、すぐに整形外科や整骨院に伝えましょう。
「いつから」「何がきっかけで」「前と何が違うか」を伝えるだけでOKです。
7. 大事な書類にはすぐサインしない
事故の後は疲れやストレスで判断力が落ちます。「早く終わらせたい」と思って不利な内容にサインしてしまう人は少なくありません。
大事な書類は必ず一晩寝かせて、できれば家族や専門家にも見てもらいましょう。チェックポイントは「金額の根拠」「含まれている項目・含まれていない項目」「後から追加請求できるか」の3つです。
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ここに書いてある内容は一般的な解説です。個別のケースについては、整形外科の医師や弁護士など専門家に相談してください。
よくある質問(FAQ)
Q. 整骨院ではレントゲンやMRIを受けられますか?
A. いいえ。画像検査は病院の役割です。整骨院では施術や経過確認が中心になります。
Q. 整骨院だけに通ってもよいですか?
A. 症状の内容によりますが、診断や検査の確認は病院でも継続した方が全体像を整理しやすくなります。
Q. 整骨院で毎回何を伝えればよいですか?
A. 痛む場所、生活で困る動作、前回からの変化の3点を短く伝えるだけでも十分です。
一次ソース・参考資料
- 知ってほしい国家資格のハナシ厚生労働省
- 柔道整復師(整骨院・接骨院)のかかり方全国健康保険協会
- 交通事故被害者支援の手引き国土交通省